親会社が保有する子会社株式を売却する場合の会計処理について解説します。
これまでは取得することについては様々なパターンを解説してきましたが、売却するパターンは初めてですね。
じつはこの一部売却考え方は追加取得の考え方と逆の考え方です。

逆って?

逆の考え方についてはこれから解説していきます。
ぜひ、最後までご覧くださいね!
筆者の紹介
・日商1級、公認会計士短答式試験合格
・高校時代は数学赤点連発⇒私立ド文系⇒簿記1級合格、公認会計士短答式試験合格
・数字が苦手な人ででも試験で実績を出すための考え方・問題の解き方・テクニックを紹介します
連結会計上の一部売却

親会社が保有する子会社株式の一部を売却することがあります。
※ただし、支配獲得を失わないことが前提です。

この売却のことを「一部売却」といいます。

では一部売却することでなにが起きるのか考えていきましょう。
連結会計上の一部売却の考え方
親会社が子会社株式を一部売却すると以下のことが発生すると考えられます。
・親会社の持分の減少
・非支配株主の増加

なるほど、発生していることが追加取得と逆の考え方だね。

まったくそうですね。
このように考えるとわかりやすいのではないでしょうか?

追加取得については下記のページを参考にしてください。

連結会計上の一部売却の仕訳
一部売却の仕訳の考え方の4ステップ
ステップ①…個別財務諸表上の仕訳
ステップ②…連結上のあるべき仕訳
ステップ③…①を②にするための修正仕訳
ステップ④…連結修正仕訳
ステップ①…個別財務諸表上の仕訳
親会社が子会社株式を市場で売却した場合、親会社(P社)で以下のような仕訳が考えられます。
ステップ②…連結上のあるべき仕訳
親会社が子会社の株式を売却した場合、連結上のあるべき姿は以下のように考えられます。
・子会社株式の開脚⇒売却割合分の非支配株主持分++子会社純資産のマイナス
ステップ③…①と②の資本勘定を相殺する修正仕訳
ステップ④…②と③をまとめる(連結修正仕訳)
売却額と売却持分との間に差額が出た場合
売却額と売却持分との間に差額が出た場合…差額は「資本剰余金」で処理します
連結会計上の一部売却を例題で理解しよう!
P社は✕1年12月31日現在S社を子会社としており、株式の取得状況、S社の純資産勘定は以下のとおりである。S社株式に係る連結修正仕訳を示せ。なおP社は暦年決算である。


のれんは、発生年度の翌年度から10年間で定額法により償却する。
【解答】
【解説】
タイムテーブルの作成
1,個別上の処理
※1 売却時の簿価:40,400÷80%×20%=10,100
※2 差額
2,連結上のあるべき仕訳
考え方
・親会社の持分減少=非支配株主持分の増加
・売却価額と親会社の持分の減少との差額は資本剰余金で処理
※1 55,000(35,000+5,000+15,000)×20%=11,000
※2 差額
連結修正仕訳(1+2の仕訳)

株式の一部売却の場合は資本剰余金のプラスマイナスに気をつけましょう。
私は間違えないよう連結上のあるべき仕訳をメモ書きして確認してました。
仕訳が書けることも重要ですが、なによりも重要なのはタイムテーブルをきっちり書ける事ですので、ココを意識して復習してください。
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